下り坂の多い町

坂の途中に 捨てられた
かわいそうな猫のために
傘を貸して ぬれながら
女の子が走り去る

翌朝 風に吹かれた傘と
つめたい子猫の前に立ち
昨夜の自分 責めながら
傘をひろう女の子

わたしひとりだけが忘れてる訳じゃない
とおい昔になくした なにか小さなもの

時計の針よ あの傷を縫え
夜が 麻酔をかけてる内に
時計の針よ 明日へすすめ
わたしを連れてゆけ


坂の途中で 立ちどまる
どこか行けると思ってた
泣いて泣いて泣きながら
夢を捨てる女の子

なにかひとつだけが 大切な訳じゃない
ふるい傷にもなにかの 約束があるから

時計の針よ いま動き出せ
まわれ星空 まわれ 歯車
時計の針よ 明日へすすめ
かなしみ噛みくだけ


時計の針よ あの傷を縫え
夜が 麻酔をかけてる内に
時計の針よ 明日へすすめ
わたしを連れてゆけ

わたしを連れてゆけ

僕が出逢わない人たちのために

ねじを巻きすぎて壊れた オルゴールの向こうで
テレビが お腹をすかせた子供たちを映し出している
僕にはそんなこと何も関係はない としても
保育園で働く君に言ったら きっとひどく叱られると思う

付き合い始めてすぐのころ
ふたりで馬鹿なけんかして
仲直りのしるしに君が くれたオルゴール
曲は "It's a small world"

あのとき君を怒らせたのは
たちの悪い冗談
ある日悪魔が現れて
僕たちに取り引きを持ちかける

「恋人を殺せば 世界が救われる」
としたら
僕らは何ができるんだろう
ふたり 出逢わない人たちのために


何があったのかは 訊いたりしなかったけれども
あんなにやり切れない目を していたのは今日が初めてで
いつもよりも遅く 僕の部屋へたどり着いた君は
まるで交通事故で 僕の兄が逝ったときの母のように見えた

黙っている君のとなりで
僕は煙草に火をつけて
ねじを巻いて蓋を開けたね
それで壊れて聴けない "It's a small world"

あのとき慌てふためく僕に
やっと君が笑って
ふたりのために安物の
指輪を買うことに決めたんだ

恋人の見ている
世界にいま寄り添うことで
僕にも何かできるだろうか
僕が出逢わない人たちのために

like a bird in the cage

鳥かごに鳥を閉じ込めて
ビルの屋上(うえ)から 投げ捨てる
小鳥はかごを抜けて 大空を飛ぶ 夢を見る


こころに深い傷きざまれて
だれの事さえ憎めなかった
やさしい人が息を吸い込み
最後の最後 呪いをかける

いばらの森で眠りつづけた
身動き一つできないままに
涙でにじむ 約束の 場所
風のうなりが僕の名を呼ぶ

愛はにくしみ 夢は絶望
絶望すれば許されるなら
鳥を殺した 僕の罪さえ
絶望すれば許されるなら

like a bird in the cage 夢のなかで飛べ
like a bird in the cage 失われてる空を
凍る羽根の白 空を自由にはばたけ


武器を捨てれば殺されないと
だれかが言った 僕は笑った
武器を捨てれば殺されないか
武器を捨てれば殺されないか

傷はかなしみ 棘は欲望
小鳥が僕を許さなくても
死んだ小鳥に愛の誓いを
小鳥が僕を許さなくても

like a bird in the cage 夢のなかで飛べ
like a bird in the cage 失われてる空を
凍る空の青 夢の向こうへはばたけ


like a bird in the cage 歌え 愛の歌
like a bird in the cage 星空の 彼方
like a bird 遠くへこの声がとどくまで


like a bird in the cage 歌え 愛の歌
like a bird in the cage 星空の 彼方
like a bird 遠くへこの声がとどくまで
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